
KASHIKOが生まれた日|美しさが想いを運ぶはじまりの物語
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今日は、私たちの原点となった「ある出会い」のお話をさせてください。
私たちがKASHIKOを立ち上げたきっかけは、ある九谷焼作家との出会いでした。 ある日、ふらりと立ち寄ったギャラリーで、一つの香合に目を奪われました。 それは手のひらにおさまるほどの小さな器。けれどそこには、縁起の良い意匠と、凛とした美しさが宿っていました。
すぐにその香合を購入し、「作り手はどんな方だろう」と思いを馳せていたところ、ご本人とお話する機会をいただきました。 彼女は、時間を惜しまず制作に打ち込み、静かな情熱で九谷焼と向き合っていました。 一方で、作家として活動を続けていく難しさや、経済的な課題についても率直に語ってくれました。
その姿に、私たちは深く心を動かされました。 「こうした作家の方々を支えるような仕事ができないだろうか」 そんな想いが芽生えた瞬間でした。私たちは、もともとデザインと印刷の仕事に携わってきました。 九谷焼そのものを作ることはできません。 しかし、40年以上培ってきたデザイン力とものづくりのノウハウがあれば、 作家の作品や感性を、文房具や風呂敷といった“日常に溶け込む形”で表現できるのではないか──
その答えを探すように、KASHIKOというブランドは誕生しました。
「美しいものが、そっと人の心に届く瞬間をつくりたい」 「作品が焼き物という枠を超え、もっと多くの人に届く道をつくりたい」
そんな想いから、私たちはこれまで、九谷焼の作家と協働しながら 手紙を書くための便箋やポストカード、ふろしき、さらには小皿や文具まで、 ひとつひとつ丁寧にかたちにしてきました。
KASHIKOの製品は、見た目の美しさだけでなく、 贈る人、贈られる人、その手に取る人すべてに 「やさしさ」や「心の奥行き」を届けたいという願いが込められています。
このブランドストーリーが、皆さまにとって KASHIKOのものづくりの想いを少しでも感じていただけるきっかけとなれば幸いです。